ゴルフラブ❤ な方へ向けて、ゴルフができない時間におすすめなゴルフエッセイ第四弾です。
今回おすすめしたいのは、中部銀次郎さんの3つの著作です。

Contents
おすすめゴルフエッセイ ④中部銀次郎さん
中部銀次郎さんといえば、ご存知、日本の誇るアマチュアゴルファーとして、学生時代からの日本アマ優勝や、その後、サラリーマンでありながらも数々の試合に出て、『プロより強いアマチュア』とも呼ばれた方です。
このシリーズでご紹介するのは「エッセイ・読み物」という方針ですが、中部銀次郎さんのこの本は、”指南書的” 要素もあります。
ですが、”指南書”といっても技術的なことではなく、ゴルフとの向き合い方、心の持ちよう、プレー中に気を配るべき見落としがちなポイント、などが中心に語られている本です。
何よりも正しいアドレスが大事 by 中部さん
具体的な状況を描写しながら伝えてくれ、読み物としても「なるほど、なるほど」とうなずきながら読める内容になっています。
もっと深く、もっと楽しく。= アマチュアのためのゴルフ聖書 =
月刊『ゴルフクラシック』に1984年から3年間連載された、同タイトルのコラムをまとめたものです。
ゴルフ読み物としても面白く、特にアマチュアゴルファーにとって、数々の上達のヒントが詰まっている本です。
例えば、ゴルフは「ボールはあるがままの状態でプレーする」という大前提があります。
しかし、実際のラウンドに行くと、「6インチリプレースOK」とか「プリファードライ」というルールのもと、それほど問題ないライからでも動かしてプレーすることもあるのでは?
これを中部さんは ”やるべきではないこと” と諭しています。
なぜなら、より良いライへボールを動かすことに慣れてしまうと、もはやその人にとって ”良いライ”というのは存在しなくなり、常に ”より良いライ”を探す気持ちが沸き、ボールを動かしても、常に”これでも最良のライではない” と、満足できなくなるから、と説いています。
『あるがままの状態でプレーせよ」
難しそうなライのボールを動かすのは、Play fast や、ゴルフ場のためではあるのですが、自分のゴルフにとって、それが何故いけないのかを、分かりやすく説明してくれています。
このような示唆に富んだお話しが多数語られているので、ゴルファーなら一読しておくと、とても自分のゴルフのためになります。
【収録話】
▪ プロになるということがどれだけ、すさまじい努力を必要とするか。
▪ ふだん、仕事の合間でも、わたしは自分がボールに向かって正しく立つ姿をイメージすることがある。- アドレスの大切さのお話し
▪「これがゴルフか」と達観してかからないといつまでたっても自分のゴルフを向上させられないと思う。
▪ 絶えず一定のリズムを保って歩くこと。たとえミスを犯しても走り出すなど論外なのである。
▪ ゴルフというのはひとつの概念でしかない。わたしが ”やるゴルフ” なのである。
▪ ゴルフというゲームは限りなく続くミスを、どれだけ防いでいくかによって結果が出るものだと思っている。
▪「メダリストにはなれてもマッチプレーに弱い中部」。
▪ 方法はひとつしかないのだと結論した。「練習を重ねるしか道はないのだ‥‥‥」。
▪ 敗れた試合からしか、教訓は得られないのだ ー という意味のことをいったのは、ボビー・ジョーンズである。
▪ にもかかわらず、どんなレベルであれ、”勝つ”ということは難しいのだ。 ー 勝つにはどういう気持ちをもつべきか?のお話し
▪ だいたいいつも収支は相償っているものだ。
▪ 実際、正直のところ 1年ぶりの試合に出て、終始わたしはわくわくするような興奮にとらわれていたのだ。
▪ うまいが勝てない というタイプの人は・・・・・・ ー プレー中の気持ちの持ち方に関する示唆
▪ ゴルフのスイングというのは、なかなか変えられないものである。
▪ しかし、ゴルフに関して唯一、説明できることがある。それが”立つ” こと ー アドレスだ。
▪ いかにもホーガンの構えは自然で、それにわたしは驚いたのである。
▪ あえていえば、ゴルフスイングはきわめて合理的な、そしてシンプルなものだ。それがしばしば狂うのは・・・・・・
▪ わたし自身も含めて よく”自然に” ということばを使うが、考えてみると、ゴルフスイングというものは、人間の身体にかなり”不自然な” 運動を強いる ―。
▪ いいスコアでラウンドしたい。 ― そう思うのならば、正しいスイングを身につけたほうがいい。
▪ これさえチェックしたら、スイングは大幅に改良されるはずである。
▪ わかってもらえるまでは 同じことを繰り返さなければならない。
▪ スイングに関する中部説。
▪ ”もっと飛ばしたい”と願うのは、すべてのゴルファーの永遠の夢であろう。しかし、・・・・・・
▪ これには必須の前提条件がやはりあって、自分のボールを打つ技術がどれほどのものであるのかを・・・・・・
▪ 「ドライバーを除いて、飛距離がいちばん出るのはどのクラブ?」すると彼は、「平均飛距離という意味ですか?」と問い返してきた。
▪ なぜなら、スクェアな構えからスクェアなスイングをしているからである。(中部さん式ボールの打ち分け)
▪ どういうボールが打ち分けられるかよりも、どうやっても絶対に打たないボールをつくるべきかなのだ。
▪ 「しかし、中部銀次郎がこの年になって悩んでるなんて、面白いな」「われわれアベレージ・ゴルファーにとって福音みたいなものだね」。
▪ 何しろ過去四半世紀もの間、わたしは意識的にスイングすることなくきたのだから・・・・・・。
▪ 「はずしちゃいけない」という意識が強く働いた時、のろわしい状態に陥るのだ。
▪ いやおうなくイメージの中でゴルフをしている。それが結果としては、スイングを強制するのに大きく役立っているのではないか ―。
▪ スイングに合わせて道具を選ぶべきである。
▪ 昔はけっこういいゴルフをしていたからこそ起きる病気なのだといえる。(上手かった人に起こる、ドライバーが当たらなくなった話)
▪ だから、自然、距離を出すために強振する。スイングが崩れる。軌道が狂う。スイート・スポットにボールが当たらない。距離がでない ―(前話の中部さん流処方箋)。
▪ ラッキーとアンラッキーと、ならしてみれば、同じくらいあるんじゃないか。
▪ ことゴルフに関していえば、力量の差が勝敗につながらないことが起こって、しばしばなのである。
▪ 考えてみれば永代出場権で日本アマに出かけていくことが、果たして自分にとってよいことなのか悪いことなのか。
▪ それは悔いでもなんでもないのだが、知恵はいつも後からついてくるらしいと、
ゴルフの神髄 = 新編 もっと深く、もっと楽しく
「もっと深く、もっと楽しく。」の大好評を得て更なる連載が始まり、それをまとめた単行本です。

中部さん自身は、この連載を「自身のつぶやきのような言葉」と表現されていますが、アマチュアゴルファーにとっては、気づかされることが多く、自分のゴルフを省みる時に多いに役立ちます。
例えば、ハンディプラスの人でもなければ、バーディは確率的に「取った」ものではなく、「出てしまった」と言うべきもの。
そのような自分のゴルフ技量を知ることを諭すような精神面のお話から、 ”ボールの位置” 、ミスをした時こそ”深呼吸すること” など、すぐに試してみれそうなこともたくさん。
【収録話】
▪ ゲーム設計次第でスコアが変わる
▪ 自分自身を知れ
▪ 一歩退く勇気を持て
▪ バーディはまぐれである
▪ 意図を明確に決めること
▪ ヤーデージは自分で測れ
▪ 技術は自分自身で学びとる
▪ 同伴競技者に惑わされるな
▪ 技ではなく、心の問題に帰着する
▪ アプローチの神髄
▪ 人は人、自分は自分
▪ クラブは人間が振るもの
▪ ”正しいスイング”とは
▪ アプローチショット
▪ 開き直り
▪ ナイスショットの確立
▪ 勝負は、心にある
▪ ボールの位置とスイング
▪ オールドコースのたたずまい
▪ ゴルフの鉄則
▪ ゴルフは不思議なゲーム
▪ ピュアアマチュア
▪ ショットのつなぎ
▪ あなたの「呼吸」
▪ ミスをしたら悔しがれ
▪ プレッシャーに克つ
▪ クラブとの付き合い方
▪ ゴルファーたちの名言
▪ ルールに甘えてはならない局面
▪ ”遠くへ飛ばす”ということ
▪ ニクラウスの思い出
▪ クラブの材質と飛距離
▪ ドライバーショットのミス
▪ 欲は捨てること
▪ コース設計
▪ ボビー・ジョーンズのこと
▪ もっとスコアを縮めるためには
▪ 何はともあれ深呼吸
▪ 自分の真の力を知る
【解説】*銀ちゃんのこと 青木功
わかったと思うな
まずは、ドキッとする痛烈なこのタイトル 。

ゴルフとは不思議なスポーツで、「あ、わかった」と思う瞬間があります。
ラウンドしていると、周囲で「わかった!」と快哉の叫びを聞くこともしばしば。
ということは、私だけではなく、結構な割合の人がそう思える瞬間があるのが、ゴルフのおかしな特徴だと思います。
でも、そんな風に時々うまくいっただけで「わかったと思ってはいかんのダ」と戒める言葉がタイトルのこの本。
「”たまたま”うまくいったプレーに一喜一憂していないで、もっと大事なことを理解しましょうね」
と、言う中部さんの声が聞こえてきそうな、ゴルフにおいて本当に知っておくべきこと、考えるべきことの宝庫がここに記されています。
【収録話】
▪ 勝手に自分を縛っていないか
▪ 確率の本質をわきまえる
▪ 何事も検証、確認が肝心
▪ センチミリミリの世界なんだ
▪ 無駄な球数で妥協していないか
▪ 上達を阻むもの、要するに虚栄
▪ 1打に感謝する気持ちがあるか
▪ 悔やんでスコアが良くなるのか
▪ 絶対にあきらめるな、捨てるな
▪ 身体はスコアを保証してくれない
▪ ミスを正す検証方法を持っているか
▪ 鍛錬について考えてみたことがあるか
▪ コースで効果の表れない練習なら不要
▪ 自分の技倆に見合った腹の立て方とは
▪ 飛ばし屋って実は可哀相なんだ
▪ 君はクシャミの止め方を知っているか
▪ ゴルフをわざわざ難しくしていないか
▪ 道具に馴染むまでには時間がかかる
▪ 遊びのゴルフだからと甘えていないか
▪ クラブは6本もあれば十分じゃないか
▪ 気持ちに余裕を持たせることが大切
▪ 技術論に誤解が多いのはなぜか
▪ 自分の実力を過大評価していないか
▪ 鋭い感性を身につけるのも訓練次第
▪ 綺麗なスウィングにも弱点はある
▪ スウィング改造は一朝一夕にはできない
▪ 一緒に回る人に心惑わされないために
▪ ヤーデージ杭にだまされないために
▪ 歩く姿勢や速度を軽視していないか
▪ 開き直ることも時には必要なんだ
▪ 先入観や思い込みに囚われていないか
▪ インスピレーションには逆らわない
▪ ゴルフには平均の法則がはたらく
▪ アドレスに始まってアドレスに終わる
▪ 心の有り様をおろそかにしていないか
▪ まず眼の前の失敗を消せ
▪ 安易なゴルフに一喜一憂していないか
▪ どうしてもっと謙虚になれないのか
▪ あれもこれもと欲張っていないか
▪ 心の鍛錬、これに尽きると思う
【解説】ゴルフ姿の綺麗な人 倉本昌弘
おすすめゴルフエッセイスト ④中部銀次郎さん まとめ
1942年生まれ(青木功さんと同い年)、2001年にお亡くなりになった中部銀次郎さんが辿った、ゴルフを習得・鍛錬してゆく環境は、今と全然違っていたと思います。
今のような、自分のスイングをその場でスローモーションで見れる機器もなければ、ヘッドの動きやボールの動きを分析する装置もなかった時代です。
でも、本の中で説明している正しい打ち方と、そのスイングをした時に出るボールの飛び方は、今、私たちが習うゴルフ理論でもあり、それを更にかみ砕いて ”なぜそうなのか” を説明してくれるものです。
アマチュアとしてゴルフを続けることを選び、生涯、ゴルフに真摯に向き合った人から発せられる、ありがたいゴルフ上達のヒントが満載の3冊だと思います。



