ゴルフラブ❤ な方へ向けて、ゴルフができない時間におすすめなゴルフエッセイ第二弾です。
第一弾の夏坂健さんに続き、おすすめしたいのは、伊集院静さんの書いたゴルフエッセイとゴルフ小説です。
2023年11月24日、伊集院さんが闘病の末、お亡くなりになりました。
心よりご冥福をお祈りいたします。
Contents
おすすめゴルフエッセイ ② 伊集院静さん
伊集院静さんといえば、大変多作な作家さんで直木賞はじめ、様々な賞をお取りになっていますが、ゴルフもお好きで数冊のゴルフものを出しています。
まずは、パッと目を引くゴルフ場の綺麗な写真が表紙に使われているので、ゴルフ好きの方なら一度は目にしたことがあるであろう、「夢のゴルフコースへ」シリーズ。
夢のゴルフコースへ
アメリカとスコットランドの、一度は行ってみたいと思えるゴルフコースを巡って書かれた本です。
全部で4冊。
アメリカ東海岸、西海岸、ハワイ、スコットランド、と1地域で約10数コースをプレーしながら巡るゴルフ旅日記ともいえるもの。
そのコースに行ってみて分かったこと、コースにまつわる話を、ところどころゴルフの格言やプレーの様子を交えながら、静かな語り口で綴られています。
そして、この本をとても素敵にしているのは、ゴルフフォトグラファー宮本卓さんの美しいゴルフ場写真が散りばめられているところです。
コースの細かな表現と綺麗な写真から、美しいゴルフ場紹介雑誌のようでもあり、ゴルフに触れながら静かで落ち着いた気持ちになりたい時にうってつけな本です。
ただし、本のサイズが文庫本なので写真がちょっと小さく感じるのは残念なところ。
一生に一度旅してみたいゴルフコース 世界の名門22コース集
2019年には、再び宮本卓さんと一緒に憧れの22コースを周り、エッセイを出されています。
「夢のゴルフコースへ」でも訪れていた、スコットランドとアメリカの名門22コース。
こんな綺麗なコースへ行けてうらやましくもあり、いつか自分も行くことができればいいな、など思いながら眺めいってしまいます。
あるいは、行く予定ができた時に色々参考になる、という目で見るのも楽しみながら読めるエッセイです。
アメリカのPGAツアーでもおなじみのコースが出てきます。
【スコットランド】
▪ ロイヤルドーノックゴルフクラブ
▪ セントアンドリュース オールドコース
▪ プレストウィックゴルフクラブ
▪ カーヌスティゴルフリンクス
▪ ターンベリーリゾート・ザ・アイルサコース
▪ ロイヤルトゥルーンゴルフクラブ
【ハワイ】
▪ ポイプベイゴルフコース
▪ マウナケアゴルフコース
▪ フアラライゴルフクラブ
【米西海岸】
▪ ペブルビーチゴルフリンクス
▪ リビエラカントリークラブ
▪ シャルドネゴルフクラブ
▪ エルドラード・ゴルフ&ビーチクラブ
【米東海岸】
▪ パインハーストリゾート
▪ TPCソーグラス
▪ ベスページステートパーク
▪ ウィスリングストレイツ
▪ ベイヒル・クラブ&ロッジ
▪ ブラックウルフラン
▪ キアワアイランドゴルフリゾート
【スコットランド】
▪ キングスバーンズゴルフリンクス
▪ セントアンドリュース ニューコース
あなたに似たゴルファーたち
こちらはエッセイではなくゴルフ小説ですが、これもおすすめ。
最初に興味を惹かれるのは、冒頭の前書き部分です。(以下、茶色字は本文引用)
『この物語は不幸にしてシングルプレーヤーになった人々のためのものではない。』
から始まり、「シングルさんって不幸なの?」とふと立ち止まります。
更に、こう続きます。
『初めて100を切れた日に神様に感謝したプレーヤーに、
コンペの前夜は遠足前の子供のように眠れなくなるプレーヤーに、
そして一度ならず 二度とゴルフなぞするものかとクラブを投げつけたプレーヤーのために書いたものである。』
「ふふふ、大いにあります」と共感し、こう結ばれます。
『ゴルフは絶望の繰り返しであるとは、プレーヤーなら誰もが知っている。それでも私たちは、次の日曜日にはバッグを担いで近くの練習場に出掛けていくのである。』
「その通りです。ヒドい目にあっても、なぜかやめられないんです。。」と、納得してしまいます。
内容はというと、ゴルフをしたことがある人なら「あるある」と共感できる話から、ちょっと怪奇的な話、なんとかいいスコアを出したい人、ほのぼのとするゴルフならではの心温まる話など、”自分に似たゴルファーたち” の様々なお話が20編収録されています。
注:こちらは2012年出版で、現在は市場に新品がほとんど無いようです。
おすすめゴルフエッセイスト ② 伊集院静さん まとめ
伊集院さんは多趣味な方のようで、ゴルフはその中の一つかもしれませんが、ゴルフを愛する気持ちは、その静かな文章からもヒタヒタと伝わってきます。
今までに800くらいの著作を書いているうち、ゴルフものは上に紹介した数冊なので、これはあくまで本業の著作活動というよりは、趣味の延長なのかもしれません。
最近は、「ミチクサ先生」などを完成させているので、なかなかゴルフものに割く時間はないかもしれませんね。
ほんの時折にでも、ゴルフ小説を書いていただけるといいな、と思います。
今回は以上になります。
冒頭でも触れたとおり、伊集院さんは虹の橋をお渡りになってしまいました。
よって、伊集院さんの著作となるゴルフ読み物は、ここで取り上げた6冊だけになります。
作品はもう出ないことをとても残念に思うと同時に、大変な闘病生活だったでしょうから、ゆっくり休んでいただければ、と思います。
【読むゴルフ】もっとゴルフが好きになる – おすすめゴルフエッセイ①夏坂健 【読むゴルフ】もっとゴルフが好きになる – おすすめゴルフエッセイ ➂『3分間教養』 【読むゴルフ】もっとゴルフが好きになる – おすすめゴルフエッセイ ④中部銀次郎 【読むゴルフ】もっとゴルフが好きになる – おすすめゴルフエッセイ ⑤大岡昇平