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【読むゴルフ】もっとゴルフが好きになる – おすすめゴルフエッセイ ⑤大岡昇平

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ゴルフラブ❤ な方へ向けて、ゴルフができない時間におすすめなゴルフエッセイ第五弾です。

今回おすすめしたいのは、大岡昇平さんの書いたゴルフエッセイです。

おすすめゴルフエッセイ ⑤ 大岡昇平さん

大岡昇平さんといえば、『俘虜記』、『レイテ戦記』、『野火』などで知られる、自らの従軍経験とち密な調査を基に生の太平洋戦争を伝える著作を残された方です。

 

そんな大岡昇平さんは、意外にも雑誌にゴルフ談話を投稿しており、それをまとめたゴルフエッセイが1冊があります。

とは言っても、1冊まるまるゴルフエッセイではなく、3部構成で、そのうちの1部がゴルフです。

『俘虜記』や『レイテ戦記』を読んだ印象と、このゴルフエッセイで分かる大岡さんの生の声というか、熱量のようなものにギャップを感じつつ、そこに見えるのは、やはりゴルフの虜になった一人の人間の姿でした。

「あなたもゴルフが好きだったんだ」という安心感に似たような嬉しさが湧いてきます。

『ゴルフ 酒 旅』

タイトルが示す通り、I. ゴルフ、II. お酒、III. 旅 の3部構成で、ゴルフに関しては19話。

この本で分かったのは、大岡さんは生真面目で厳格な人(他の著作から、勝手に私が思い込んでいただけですが)だと思いきや、ゴルフのために娘さん用の貯金を使いこみ、ゴルフを始めた息子さんのためには、高額なカストマイズドライバーを注文してあげる、というような、かなりイメージと違う方だったということです。

また、大岡さんのゴルフ仲間は、同業である文士の方が多いのですが、今となっては教科書やドラマで知っている、というような人の名前がボロボロ登場。

小林秀雄、石川達三、中原中也、丹羽文雄、石原慎太郎(文壇の後輩にあたり、当時、新人の若者だったので ”慎ちゃん” と呼んでいる)など。

”エチケット委員” と表現されている白洲次郎さんの名前も出てきます。

昭和中期から後期の、ゴルフが大好きで集まる大人たちの様子が分かり、

「ゴルフを好きになると、立派に見える人達もただのゴルフ好きおじさんなのね」

と再確認させられる本です。

【収録話(I. ゴルフ のみ)】

文士とゴルフ
▪ 自己克服のゴルフ
▪ 球を追うゴルファー景色を見ず
▪ それでもゴルフは止められない
▪ 国際ゴルフに勝つには
▪ 桶谷繁雄先生に訴う
▪ 近頃コースのやりくり
▪ ゴルフ旅行
▪ 吹きだまり三年史
▪ 捲土重来
▪ ゴルフ再開記
▪ 世界一のゴルフをみて
▪ ルールの解釈
▪ ゴルフ赤毛布
▪ ゴルフは楽しくルールはきびしく
▪ 優勝の秘密
▪ ボールに祈る
▪ モルモットの悲哀
▪ ゴルフとタバコ

 

蛇足になりますが、I. ゴルフ編ではなく、III. 旅『サンタフェの雪』に『チャタレイ夫人の恋人』の著者、D.H. ローレンスと駆け落ちをしたフリーダ・ローレンスさんと、旅先で会ったお話が書かれています。

ローレンスとフリーダさんの出自や不倫の果ての駆け落ちなどから、フリーダさんはチャタレイ夫人のモデルという説もあったようです。

チャタレイ夫人は作品で美しく描かれていましたが、当時のフリーダさんは74歳になっており、ローレンスとは死別したので、別な人と再婚していました。

そして、、ですね。

大岡さんのフリーダさん評が、歯に衣着せなさすぎで、唖然!としました。

「スペイン風の赤と緑の花模様のスカートをはいた74歳の老婆である。申すまでもなく輝く白髪で、体もすっかり肥満している。(中略)。恋愛小説家は自分と一緒に恋人もあの世へ連れて行ってほしいものだというようなことを考えた。
少くとも、彼女を74歳まで生き延びさすのは有利ではない。

やはり、地獄の戦場に身をおいたことのある人は考え方が苛烈というか、昭和の男はそんなものなのか。。。

今なら ”炎上必至の発言” だと思った次第です。

ゴルフ酒旅[本/雑誌] (中公文庫) / 大岡昇平/著

大岡さんはこのエッセイの他にも、『アマチュアゴルフ』というアマチュア向け、技術向上のための本を書いています。

私は見つけることが出来なかったのですが、書評によると、アマチュアならではの分かりやすく、時にユーモアを混ぜた名著だそうです。

ゴルフの魅力に取りつかれ、とうとう指南書まで執筆してしまったのですね。

おすすめゴルフエッセイ ⑤ 大岡昇平さん まとめ

ゴルフ以外の様々な分野で有名な方が、実はゴルフ好きだったと知ると、不思議とその人への親近感が増します。

実はゴルフの虜になっていたあの人、この人は皆、「先輩」だったり「仲間」のように思えてくるから不思議です。

大岡さんの『ゴルフ 酒 旅』は、昭和中後期にゴルフが好きだった文壇の ”先輩・仲間” のゴルフ愛が垣間見える本です。

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とりさん

練習そこそこ、ラウンド大好きな月3アマゴルファー(♀)。
あくまでエンジョイ派だけど、うまくなりたい気持ちが強く、ごく普通の体力と筋力でいかに効果的に上達するか、色んな情報を探求し試してます。

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